「CHICAGO」

赤坂ACTシアター

観客は9割5分が女性.男の私には特に面白い話とも思えないのだが,女性の琴線には触れるということなのか?フェミニスト諸子の意見を聞いてみたいものだ.楽曲のメロディにも印象に残るものが少ない.ボブ・フォッシー振り付けののダンスは大変お洒落だと思うが,今回はもの足りなさが残る.ステージの中央にオーケストラが,でんとスペースを占めているので,舞台が狭く,スピード感あふれる群舞の類いがほとんどないのが理由だろう.しかし,クラシックなテイストの照明がいい.黒を基調とした舞台と衣装に,白熱電球の色が暖かみを加えている.時々使われる紫色のスポットライトが印象的.

米倉涼子のがんばりは素晴らしく,観客に勇気を与えるものだった.周囲のキャストが全て外国人なので,米倉の体格は非常に華奢に見えるにもかかわらず,互角に勝負できている.英語の発音も充分ブロードウェイの舞台で通用するレベルになっているし,歌唱も期待以上のものであった.芝居がはねた後に歩いた赤坂の街の雰囲気が,とてもこの芝居にマッチしていたので評価が一ポイントアップ.