野毛界隈を散策

最近図書館といえば横浜市中央図書館ばかり利用していた。ところが先日とある映画の前に上映されたニュース映画*1で神奈川県立青少年センターがリニューアルされたとの報を知り、久々に紅葉坂の県立図書館まで足を伸ばしてみた。大学受験の頃利用した以来だと思うので30年ぶりくらいだろうか。

驚くほど昔のままである。確かに図書カードは無くなり、コンピュータの端末に置き換えられてはいるが、机も椅子もエアコンも蔵書もおそろしく古い。エアコンはコンプレッサーが重低音を響かせている。殆ど壊れる寸前だろう。受付の人がいろいろ説明してくれたが「予算が削られて本が買えない。工学関係だと川崎の図書館が充実している」とのこと。予算が無い割には職員だけは潤沢という印象をうけたが...

この古さのせいかどうか人がめっきりと少ないのはいい。昔は席をとるのが大変だったという記憶があるが、最近の受験生は図書館で勉強したりしないのだろうか? 窓からは木立が見え蝉の鳴く声が聞こえる。「耳をすませば」という映画のシーンを思い出した。青少年センターも除いてみたが、科学展示の類は一切無くなってしまい、ただの会議室だけのビルになってしまったのは残念。中学高校の頃は、ここのアマチュア無線室を良く使わせてもらった。

いつものパターンなら、この後は黄金町付近の映画館で映画鑑賞となるが、これは閉館により叶わず野毛の古本屋めぐり。老舗のJazz喫茶「ちぐさ」を覗くとなんとめずらしく開店している。開店直後で客は一人。ここも店主の吉田さんが亡くなった以外、昔と全く変わらない。ハービー・ハンコックチック・コリアの武道館のライブをリクエストし1時間ほど粘る。LPである。久々にスクラッチノイズを聞く。植草甚一気取りの一日を過ごした。

*1:驚くなかれ相鉄ムービルでは、今日でもたまにニュース映画が上映されるのだ